お月見泥棒

shimono-iwao2008-09-14

皆さんは「お月見泥棒」という風習をご存知ですか?
都市部にお住まいの方でも、年配の方はご存知かも知れません。

お月見泥棒というのは、子どもたちのお月見イベントのひとつです。 中秋の名月の夜に、家々に飾られているお月見のお供え物をこの日に限っては、子ども達は盗んでいいというものです。
この説明だけですと、「お月見泥棒」をご存知ではない方は、いくらお月見のイベントとは言え、子どもが泥棒なんて…と思われるかも知れません。
しかし、この「お月見泥棒」はなんともメルヘンチックな伝承が背景にあるのです。
昔は、「将来を背負って生まれてくる子ども達は、月からの使者である」と考えられていたそうで、中秋の名月を祭る十五夜の夜だけは、「月からの使者である子ども達」だけは、お供えを盗んでも良いということになるそうです。

今年も、我が家の近所では、「こんばんわ!お月見泥棒で〜す」と声をかけて家々まわり、玄関先に備えたお菓子などを手に入れては「ありがとうございましたぁ!」と大きな声でお礼を言って駆け去って行く…礼儀正しく、可愛い「泥棒」達を見ることができました。
駆け去っていく「泥棒」達の後姿を見ながら、思わず微笑んでしまう、そんな満月の夜でした。