茨木に眠る藤原鎌足

shimono-iwao2008-05-09

茨木市に縁のある歴史上の人物は数多いのですが、その中の一人、藤原鎌足の墓が茨木市西安威にあります。

中大兄皇子と力をあわせ、蘇我氏を倒し「大化の改新」を成し遂げた中臣鎌足(藤原という姓は、臨終に際し、天智天皇から大職冠という役職と共に賜ったものです)のことは、皆さんもよくご存知でしょう。
鎌足は死後、現在の茨木市西安威に葬られました。
しかし、臨終の際に遣唐使として唐にあった鎌足の長男である定慧が帰国後、夢で「多武峯に立っていると、父が来て、自分は天にいる。お前が日本に帰ればこの地に寺塔をたててくれ、そうすれば天から降りて子孫を守るであろう」と父が語った、という話を弟の藤原不比等に話したところ、不比等も同じ夢を見たと驚き、兄弟で相談した結果、大和国の多武峯に遺骸を移すべく、地元の村人と交渉しました。
しかし、この交渉はなかなかまとまらず、結果的に、頭部のみを大和国の多武峯に移し、胴体をもとの場所に祭るということで決着しました。

鎌足が祭られている大職冠神社は、閑静な住宅街の中に、ひっそりと佇んでいます。今の季節は新緑も美しい場所です。

私たちのまち「茨木」にも、このような万葉の歴史を偲ばせる場所があるということをほんの少し思い出すのもいいものですね。